2010年12月13日月曜日
レコード4:音を書く夢の系譜
レコードに関する授業の四回目です。
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自動ピアノの映像は、たくさんあります。「player piano」で探してみてください。一つだけあげておきます。
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また、サウンド・フィルムを用いた音響編集の事例としてちょっとだけ見る予定のGrigori Aleksandrov and Sergei Eisenstein-Romance Sentimentale (1930)です。あげておきます。Internet Archiveにありました。
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授業とはあまり関係ありませんが、5:30あたりを見てください。
これは、自分の画像に似せたスペクトログラム(周波数を縦軸,時間を横軸としたグラフ中で,ある時刻,ある周波数でのスペクトル強度を濃淡で表示したもの:)を作成して、そこから音響生成したものとして有名です。
これもまたある種の「音を書く夢の実現」ですね。
「どんな音になるか」は、あまり制御できないのではないかと思いますが。
2010年12月6日月曜日
2010年度後期 京都精華大学:音楽とメディア:レポート
2010年度後期 京都精華大学:音楽とメディア:レポート
レポート試験テーマ
「授業ひとまとまりを要約し、そのなかで触れたトピックをひとつ取り上げて、詳しく説明・考察すること。」
以下の二項目に分けて記述すること。
1.15回の授業の中から選んだひとまとまり分(初回は除く)の要約
2.その授業のなかで触れたトピックの説明・考察
また、2の記述においては、必ず次の条件を満たすこと
(1)何らかの参照文献を用いること(用いた参照文献は明記すること)
(2)何か別のトピック(必ずしも授業で触れたトピックでなくとも構わない)と比較しつつ記述すること
この条件をクリアしていないものはレポートとして認めない。
採点基準
・明快で具体的で論理的な日本語
記述の具体性や明晰性、客観性や論理性を重視します。授業内容や参照文献の内容を十分に理解した自分の言葉で記述してください。レジュメや配布資料そのままの記述は低く評価します。
・参考文献の使用
必ず何らかの参考文献を使用し、レポートのどの部分でどの参照文献を利用したかが分かるように明記してください。文末に、引用元、参考文献をリストの形で明記すること。この作業が出来ていない場合、不可とします。
Wikipedia等の参照は構いませんが、オンライン・ソースしか典拠のない情報を参照している場合は、不可とします。
書式(字数・様式など)
2000字程度(参考文献表、註などをのぞく。文末に文字数を記すこと)。
手書不可、A4用紙片面に横書きでプリントアウト。
レポート表紙に、授業名、所属、学籍番号、氏名等と、レポートのタイトルを記すこと。
提出
一斉提出期間に所定の場所に提出
2010年1月28日(金)~2月3日(木):10:00~17:00
流渓館2階会議室
レコード3:録音の二つの理想-ハイ・フィデリティへの志向
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電化の事例は、このCHARM (Centre for the History and Analysis of Recorded Music)のウェブサイトから取りました。
A Brief History of Recording to ca. 1950
→
ビング・クロスビーが歌う「ホワイト・クリスマス」
→
エモリー・クック(Emory Cooke)が関わった録音アーカイヴの一部。
First Flight: Early Calypsos from the Emory Cook Collection
Mighty Sparrow
Calypso Awakening: From The Emory Cook Collection
Various Artists
→
「ステレオ」の起源には「聴診器」があります。
最後にちょっとだけ触れる研究ノート。
福田貴成「技法としての両耳聴」
あるいは、英語のウェブサイトですが、サウンド・アーティスト兼研究者のcharles stankievechの論考も参考になります。
2010年11月29日月曜日
レコード2:音楽産業としてのレコード産業の成立
音楽産業としてのレコード産業の成立について話します。
左の画像はChristian Marclay, Bavaria. 1996です。
文房具としてのフォノグラフを宣伝するエジソン社の広告映像です。
ワックス・シリンダーの音はウェブ上にかなりあります。
Cylinder Preservation and Digitization Project
Internet ArchiveにもSP盤とシリンダー録音のためのアーカイヴがあります。
Internet Archive: 78 RPMs & Cylinder Recordings
などです。
→
ベラミーの情報。
あまりありませんが…。
Amazon.co.jp: アメリカ古典文庫 7 エドワード・ベラミー: エドワード・ベラミー, 中里 明彦: 本
エドワード・ベラミー - Wikipedia
2010年11月8日月曜日
レコード1:レコードの起源
→
エジソンのフォノグラフは、音楽を再生するための機械であるよりも声を録音できる機械だったと考えられます。
→
音響学における音の視覚化:クラドニ図形の例
音響学における音の視覚化:Rubens' Tubeの例
→
1860年の声の記録について
2008年3月頃にこのニュースが出て、それでしばらくネット上で色々な記事が出回ってました。
NYタイムズの記事の抄訳
フランスで行われた世界初のレコーディングが再生された[前編]
フランスで行われた世界初のレコーディングが再生された[後編]
→
初音ミクが歌ってました。
CloseBox and OpenPod > 世界最古の歌声が見つかったので初音ミクにうたってもらった
→
初音ミクとデュエットしてました。
CloseBox and OpenPod > 148年前の歌声と初音ミクが時空を超えてデュエットした
世界最古の録音が怖すぎる件(動画) : Gizmodo Japan
世界最古の録音音声、最新技術でよみがえる 国際ニュース : AFPB News
→
FirstSounds.ORG
1857年の音声記録があるけど何にも聴こえないです。
→
ケンペレンの「トルコ人」の映像です。これは、実はインチキ自動人形です。
2010年10月18日月曜日
磁気テープ
→
世界標準となったのは1963年のフィリップス社のカセット・テープですが、その前に、1958年にRCAヴィクター社がそれより一回り大きい本のサイズの「カセット・テープ」を発売していました。そのCMです。
→
『真夜中のカーボーイ』(1969):この時は、まだ「ウォークマン」はないわけです。
で、アル・パチーノじゃなくて、ダスティン・ホフマンですね。
→
『Twin Peaks』(1990-1991):クーパー特別捜査官は、自分の声を録音して日記をつける偏執狂な人です。
日本でも流行った「海外TVドラマ」の走りみたいな映画です。
面白かったです。
ツイン・ピークス - Wikipedia
→
『ドラキュラ』(1931):(この予告編にはほとんど出てきませんが)ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』の一部は、エジソンのフォノグラフに記録された日記を文字おこししたもの、という設定です。
2010年9月27日月曜日
音響録音再生のデジタル化
→参考:
社団法人 日本レコード協会
買い手がつかぬまま地下に眠る「世界最大のレコードコレクション」(動画あり) : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン), ガジェット情報満載ブログ
刀根康尚:紹介した《Solo for Wounded CD》ではありませんが。
→
以下の「楽器たち」の話は、後期後半でまたする予定です。
DS10
TENORION
KAOSSILATOR
KORG iELECTRIBE for iPad
2010年9月20日月曜日
2010年度京都精華大学「音楽とメディア」
今後の授業の分のPDFも置いてあることもありますが、基本、授業が終わってから更新することのほうが多いです。
後期月2京都精華大学「音楽とメディアI」
9/20/2009 担当:中川克志
授業全体の目的:
音響記録複製テクノロジーは、音楽を、どう変えたか? を考えること
そのために、音響記録複製テクノロジーの変化の歴史をたどります(1-8)。温故知新というやつです。また、「人と音楽とのインターフェース」の変化をたどるために、授業後半では、音楽生産にまつわる諸文化の変化(9-12)や音楽文化の変化(13-15)といったトピックも検討します。
音響テクノロジー史に関する基本的な知識を得ることで、複製技術に基づく今日の音楽について考えるためのツールを一つ手に入れてもらいたいと考えています。
スケジュール(予定:進行具合に応じて変わります。)
1. 9/20(祝日) 導入:問題設定
2. 9/27 音響と音楽のデジタル化1
3. 10/4 音響と音楽のデジタル化2
4. 10/11(祝日) 磁気テープ
5. 10/18 レコードの登場 :レコードの起源:口モデルと耳モデル
6. 10/25 レコードの登場 :音楽産業としてのレコード産業の成立
木野祭:11/1
7. 11/8 レコードの登場 :録音の二つの理想-ハイ・フィデリティへの志向
8. 11/15 レコードの登場 :録音の二つの理想-音を書く夢の系譜
9. 11/22 音楽記録メディアの変化と音楽作品の変化
10. 11/29 音楽制作の変化:集団作業
11. 12/6 音楽制作の変化 :20世紀における音の視覚化と記号化
12. 12/13 新しい楽器 :テルミンとシンセサイザー
13. 12/20 音楽聴取態度の類型:音響聴取の歴史
成人の日:1/10
14. 1/17 著作権という問題圏1
15. 1/24 著作権という問題圏2
成績評価基準:出席とレポート評価
シラバスには間違いを書いてしまいました。
レポート評価をします。
詳細は未決定ですが、2000字程度で、音響メディア史上の事例と自分の音楽経験との関連について記述するレポートを作成してもらいます。
シラバスの記述「随時出席を取り、最終試験を行います。
出席と最終レポート(30% + 70%)で総合評価します。」
その他
私語する学生は退出してください。
参照ホームページアドレス :http://lecture-nakagawa.blogspot.com/
レジュメと説明スライドをアップロードします。
授業用連絡メールアドレス :nakagawa.katsushi あっと gmail.com
必ず、大学名と授業名を件名に入れてください。
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memo-class-2010-2-京都精華大学-音楽とメディア-シラバス
授業の概要及び目的
1877年にエジソンが蓄音機を発明した後の音楽について、どのように考えることが出来るだろうか?
19世紀末に発明された新しい音響テクノロジー(レコード、電話、ラジオ等々)は、それまでの音楽の全ての側面-生産、流通、消費-に大きな影響を与え、人々と音楽との関係を大きく変えた。それは、発せられれば消えていくものだった音響を記録し、時には大量に複製することで、音楽を時間的にも空間的にも遠方に届けることを可能にしたし、聴き手が音楽を好きな時に好きなように再生して聴取することを可能にした。また新しい音響テクノロジーは、音楽の作り方にも影響を与えた。
この授業では、19世紀末以降の蓄音機以降の音響記録複製テクノロジーの歴史を概観する。そうすることで、19世紀末以降の音響テクノロジーが、音楽と私たち聴き手との関係性に与えた影響について概観する。
音響記録複製テクノロジーの歴史に関する基本的な知識を得ることで、複製技術に基づく今日の音楽について考えるためのツールを一つ手に入れてもらうことが目的である。
到達目標
"
(1)音響記録複製テクノロジーの歴史に関する基本的な知識を得ること
(2)音響テクノロジーの観点から今日の音楽について考える基盤を得ること
(3)音響テクノロジーの観点から今日の音楽について考えて、自分の思考を言語化すること(最終レポートを課す)
(4)
(5)"
授業計画
初回は授業概略の説明と導入を行う。
以下、次のようなトピックに基づいて授業を進行する予定だが、適宜変更する。
基本的には各論である。
1.音楽のデジタル化とネットワーク化
MP3の登場、CDの登場
2.磁気テープと音楽の個人化
磁気テープに基づく音楽制作、ウォークマンの登場
3.レコード
音楽産業としてレコード産業の成立、レコードの起源
4.新しい楽器
電子楽器と電気楽器、楽器と「機材」
5.その他の音響メディア
ラジオと電話、ジャンルの機能
評価方法・評価基準
随時出席を取り、最終試験を行う(30% + 70%)。
履修条件・留意点及び受講生に対する要望(予習・復習等)
特に前提知識等は求めないが、音楽や音響テクノロジーに関する様々な知識や情報を収集して論理的にアプローチしていく積極的な姿勢を求める。
テキスト
講義時に資料を配布する。
参考文献(作品)等
適宜紹介する。
参照ホームページアドレス
http://lecture-nakagawa.blogspot.com/
2010年7月14日水曜日
音を書く夢の系譜
楽譜の成立とその限界、フォノトグラフについて、作曲の道具としての自動ピアノ、グラモフォンムジーク、サウンド・フィルムの実験、「電子音楽」の夢としての「演奏家不要論」といった事項、トピックを概観します。
音響操作の方法論の基盤に、音をエクリチュールの対象として扱うスタンスがあることを知り、さらには、20世紀後半の、電子化されデジタル化された音響操作の方法論について考える準備作業となれば幸いです。
→
自動ピアノについて(映像はたくさんあるので「player piano」で探してみてください)
一つだけあげておきます。
→
サウンド・フィルムを用いた音響編集の事例として。
最初の具体音楽と言っても過言ではない、Walter Ruttmann, Weekend-Metamkine (1930)です(Internet Archiveにありました。Walter_Ruttmann_Weekend : Walter_Ruttmann_Weekend : Free Download & Streaming : Internet Archive)。
Youtubeにもありました。
また、サウンドフィルムを用いた音響編集の事例として少し見る予定のGrigori Aleksandrov and Sergei Eisenstein-Romance Sentimentale (1930)。
Internet Archiveにありました。
2010年7月7日水曜日
声の実験-音響詩について
磁気テープ以後の音響詩
Henri Chopin LIVE AT ESPACE GANTNER, BOUROGNE - FRANCE - 20050521
磁気テープ以前の音響詩≒タイポグラフィの実験に基づく朗読の実験
フーゴ・バル《Karawane》(1917)
2010年6月30日水曜日
新しい楽器1-テルミンの演奏方法とシンセサイザーの鍵盤の有無
→
テルミン関連の映像です。
クララ・ロックモアの演奏。
『地球が静止する日』では効果音として使われています。
2007年に『大人の科学』の付録で発売された「テルミンmini」を演奏するネコ。
→
オンド・マルトノとテルミンの映像がありました。
→
オンド・マルトノとグラス・ハーモニカとクリスタル・バシェッとの映像です。
→
トラウトニウム
ヒッチコックの『鳥』の最後のシーン。鳥の鳴き声がトラウトニウムで作られました。
→
モーグ・シンセサイザー関連の映像です。
→
RCA Mark IIシンセサイザーを用いた、Milton Babbittの作品です。
RCA Mark IIシンセサイザーは、リアルタイムに演奏できない「シンセサイザー」でした。
→
参考にしたサイトの一つはここです。
120 Years of Electronic Music Electronic Musical Instrument 1870 - 1990
ちょっと年代があやふやですが、面白いです。
2010年6月23日水曜日
1950年代の具体音楽と電子音楽
けっこうシンプルな話にする予定です。
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ピエール・シェフェール《etude aux chemins de fer》(1948)
シュトックハウゼン《習作I》(1953)
2010年6月16日水曜日
プランダーフォニックス-レディメイドとサンプリング
それにあわせて授業内容予定も変えます。
ウェブサイトには最初に予定していた分のスライドとレジュメはアップロードしますが、幾つかのトピックは扱いません。
参考資料置き場と思ってください。
(この「プランダーフォニックス」は扱えないかもしれないので、今日、アップロードしておきます。)
-----------------
ジョン・オズワルドのプランダーフォニックスをとっかかりに、他人の表現物を用いる色々な音響実践を紹介ます。プランダーフォニックスはある種の政治的な文化活動で、現行の著作権法や知的所有権に問題提起しようとするものです。
確かに21世紀以降ますます変容しつつある音楽文化において、音楽の私的利用の問題は非常に重要で刺激的な問題意識を喚起してくれるものですが、CD-Rや(違法)ダウンロードを介した、音楽の私的複製やそれにともなう音楽消費文化の変容の問題は、この授業で扱う事項ではありません(この手の問題は、また別の授業で扱います)。
この授業では、むしろ、他者が制作した録音物を機械的複製を通じて利用する幾つかの事例(ジョン・オズワルド、Madlib、DJ Dangermouse、Christian Marclay、Negativland、刀根康尚など)を紹介しつつ、デュシャン以降の「レディメイド」という方法論と比較する、ということをしてみようと思います。
とくに結論めいたものを提示するつもりはありません。「他者の表現物を使用する様々な事例」を知ってください。
→
ジョン・オズワルド
John Oswald (じょん・おずわるど)(ジョン・オズワルド) : 音楽ダウンロード・音楽配信サイト ListenJapan
p l u n d e r p h o n i c s:彼のこのウェブサイトから、音源は入手できます。
→
ネガティヴランド
NegativWorldWideWebLand Home
U2 vs. Negativland、第2ラウンド? | Totally F**ked Up !:日本語で入手可能な説明、他にあまりありませんでした。僕もいろいろヘンなことしてる人たち、って印象です。「THE YES MEN」みたいですね。
Negativlandの「U2」はここにあります。
→
マッシュアップ
個人的に初めて知った「マッシュアップ」は、これでした。
2010年6月9日水曜日
近畿大学文芸学部:芸術学研究IIIA:最終レポートについて
以下の通り、最終レポートを提出するか、授業内発表をしてください。
レポート提出の場合、締切は今日確定しました。注意してください。
授業内発表は、講義とは違う面白さがあるし勉強になるはずです。
「われこそは」とか気負わなくて良いから、やってみてくださいな。
発表内容、やり方、やってる最中とか、できるサポートはします。
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この授業の成績評価基準は、「毎回の授業への参加度(30%)+最終レポート(70%)」です。
なので、以下の最終レポートを作成するか、あるいは、授業内発表をして下さい。
最終レポート作成要領
授業中に扱った音楽(作品、音楽家、ジャンル、運動)をひとつ選び、それについて報告するレポートを作成すること
レポートは、以下の五項目を順番に記述すること
1.いつの授業でどのように扱われたか を要約し、
2.どのような音楽(作品、音楽家、ジャンル、運動)か 説明し、
3.その歴史的背景(歴史的位置づけ) をまとめ、
4.同時代のモダン・アートと比較し、
5.最後に、(可能ならばその現代的な意味を述べつつ)その面白さを述べてください。
レポート作成のための条件
1.必ず、何らかの公刊された文献を参照すること
インターネット上の情報を利用した場合、必ず、ネット上の情報と公刊された文献上の情報とを比較すること
使用した文献は、最後に「参考文献」として記載しておくこと
これは必須です。
この条件が満たされていない場合、内容如何を問わず不可とします。
2.2000字以上(注と参考文献は含みません)
3.手書き不可
4.7月14日(14回目)に提出、あるいは27日(火)23:59までにメールで提出
メール提出の場合、中川からの受領メールを確認してください。
nakagawa.katsushi (at) gmail.com
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授業内発表
あるいは、最終レポートの代わりに、「20分の授業内発表と10分の質疑応答」と「発表レポート(レジュメ、発表内容と発表後の質疑応答の要約:合計2000字以上(1200+800字か1400+600字か1600+400字程度)の提出」でも可とします。
この場合、再来週(6/16)までに申し出てください。
3人以上いればやってみましょう。時間は適宜変更します。
後期の「芸術学特別演習」よりも、テーマをもう少し絞った発表をしてもらおうと考えています。
授業内発表の決まり
発表テーマは、こちらからは指示しません。
ただし、20世紀以降のゲンダイオンガクとモダン・アートに関わるもの(作品、音楽家、ジャンル、運動)をひとつ選び、それについて報告してください。
1.どのようなもの(作品、音楽家、ジャンル、運動)かを説明し、
2.ゲンダイオンガクあるいはモダン・アートの歴史上の位置づけをまとめ、
3.同時代の別のジャンル(ゲンダイオンガクあるいはモダン・アート)の動向と比較し
4.その面白さ を述べてください。
つまり、レポートより取り上げて良い対象は広くなります。
学問的正確さとかより、聞いている人間の好奇心を刺激する「面白い」話をしてください。
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○発表について
基本的に、発表原稿は使わずに話してください(話すためのメモは作ってください)。
また、必ずプレゼンテーション・ファイルを利用し、A4二枚程度のレジュメを用意してください。
発表用に用いるPCは、芸術学研究室のものを利用しても構わないし、中川のPCを利用しても構いません。
USBメモリスティックなどにデータを入れてきて下さい。
前日までにメールで送ってきてくれたら、レジュメはコピーできます。
それまでに間に合わなかったら、レジュメは各自が準備してきてください。
芸術学コースの人は、ゼミ発表の経験があると思いますが、やり方は少し変えてください。発表原稿を使わない発表ですし、テーマも、20世紀以降のアートに関わるもの、でお願いします。
制作コースの人は、発表の経験はないかもしれませんが、「人前で何かについて話すこと」は、けっこう面白いことなので、試してみてください。
まあ、あんまり難しいこと考えずに、大きな声で話せば大丈夫です。
ちなみに。
プレゼン初心者の犯しやすい間違いは、次の三点です。
1.プレゼンファイルの文字が小さいこと
←一枚のスライドに長文がある←ポイントが絞られていない
→大きな文字を使うこと、そのためには要点をおさえること
2.プレゼンファイルの内容と話している内容が対応していない場合が多いこと
←口頭で補足説明をしてしまう←スライドだけで話の流れができていない
→基本的に、説明事項は必ずスライドで語ること、そのために発表内容はしぼること
3.声が小さいこと
←話している対象が分からない、など
→「対話」のポイントは、できるだけ「対話の相手」が誰かを理解しておくこと、です。 なので、語りかける相手を意識して話すこと
→そのために緩急をつけた語り方、話の要点を意識した話し方をすること
形式主義と内容主義
音楽と美術における「形式主義」について学びます。
かなり足早に、モダン・アートの美術史と形式主義的な自律音楽美学の展開を辿り、最後に、20世紀初頭に「音楽(の形式的な側面)」を理想化しつつ制作された諸作品を見たいと思います。
最後に次のような諸作品を紹介します。
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抽象的な実験映画
ハンス・リヒター《リズム21》(1921)
U B U W E B - Film & Video: Hans Richter - Rhytmus 21
ヴィキング・エッゲリング《対角線交響曲 》(1921)
Luigi Russolo, La Musica, 1911:「騒音の芸術」のルッソロの絵画です。
カンディンスキー《Composition VII》(1913):シナステジアを持っていた、抽象絵画の開拓者。シェーンベルグとの親交が有名です。
2010年5月26日水曜日
ミニマル・ミュージック
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ミニマル・ミュージックは「ゲンダイオンガク」の中では一番聴きやすいものだし、You Tubeにけっこうあります。
コレオグラフィに使われたりしてますね。
Clapping Music, 1972は楽器を使わない西洋芸術音楽として有名かもしれませんね。
リズムがずれていく(×変化していく)様子がよく分かります。
便利な映像だ。
個人的には、こういうゴリゴリのミニマル・ミュージックが好きです。
途中で、ミニマル・アートに言及します。
Donald Judd, Untitled (Stack), 1967:ジャッドと言えば、という感じの作品です。この後、けっこうヴァリエーションのある作品を作っていますが、あまり知られていません。
ドローン音楽とノイズにも言及します。
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語法になるきっかけとなった「ミニマル・ミュージック」として、あるいはおそらくはグラスの本領が発揮されはじめた作品として、《浜辺のアインシュタイン》(1976)があります。
決してその映像ではありませんが、これ、ちょっと面白いですね。
ミニマル・ミュージックは、リズムが一定なので(なものが多いので)リミックスしやすいゲンダイオンガクです。
2010年5月12日水曜日
フルクサス
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フルクサスの映像資料はオンラインにかなりあります。
ubu.comにはFluxus Anthologyも37 Short Fluxus Filmsもあります。
フルクサスの「イベント」を集めたfluxus performance workbookも、色々なところからダウンロードできます。ここからもできるようです。
You tubeにもかなりあります。
けっこう典型的な「イベント」の例として、二つ埋め込んでおきます。
Geroge Brecht, Drip Music, 1959
パフォーマンス自体は最近なされたものみたいです。
Nam June Paik, One for Violin (Solo),1962です。
2007年のパフォーマンスみたいです。(このイベントのタイトルは"Solo for Violin"じゃないと思いますが…。)
途中で、「日常の芸術化」という観点からネオ・ダダとポップ・アートに言及します。
ロバート・ラウシェンバーグ《モノグラム》(1955-59):「ネオダダ」の例として使い易い作品(コンバイン絵画)です。
リチャード・ハミルトン《一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか》(1956):最初のポップ・アートです。
授業では「フルクサスの音楽」に焦点を絞り、「楽器の破壊音」をケージ以降の音楽的素材の拡大ゲームに終止符を打とうとする身振り、として解釈する予定です。
けっこう強引な解釈ですが、「イベント」というパフォーマンスと、それらが「ゲンダイオンガク」のコンテクストの中に提示されたこと、を知ってください。
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「ハプニング」(以下のようなもの)も「イベント」も、一般名詞だけど、モダン・アートではジャンル名の一つとして使われます。
ちょっと奇妙な感じかもしれないですね。
2010年4月21日水曜日
ジョン・ケージ
途中、抽象表現主義絵画に言及します。
最後に、この《Water Walk》を見ることで、次回以降のフルクサスの話につなげます。
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参考となる日本語ウェブサイトは色々あります。
今ちょっと調べてみて、以下のようなウェブサイトが見つかりました。他にもけっこうありますね。
≡≡musicircus≡≡
X51.ORG : 演奏時間639年の音楽、第二のコードが鳴らされる 独
X51.ORG : 沈黙の音楽をラジオで放送
→
こういうイベントがあります。2009年は11月頭にコンサートがありました。
2012年まで、毎年関西で何かしてくれるようです。
John Cage 100th Anniversary Countdown Event 2007-2012
2010年4月7日水曜日
2010年度近畿大学-芸術学研究ⅢA
今後の授業の分のPDFも置いてありますが、ブログのポストは、授業当日に更新するようにしておきます。
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授業概要説明
すること
20世紀の様々な奇妙な音響芸術に触れるための導入・きっかけとなる内容を学ぶ。
(とっかかりとして、できるだけ「現代美術」との共通関心にも言及する。)
目的:20世紀の様々な奇妙な音響芸術を概観し、その美的性格・歴史的位置づけ・社会的背景を学び、自分の言葉で語れるようになること
スケジュール(おそらくこのスケジュール)
1.4/7
2.4/14
3.4/21
4.4/28
祝日:5/5
5.5/12
6.5/19
7.5/26
8.6/2
9.6/9
10.6/16
11.6/23
12.6/30
13.7/7
14.7/14
成績評価方法および基準
毎回の授業への参加度(30%)+最終レポート(70%)
レポート
:詳細は未定です。6月頃に決定します。次のような内容を考えています。
1.「何らかの音響芸術の報告」に関わる内容
2.必ず何らかの文献を利用
3.2000字程度、手書き不可
2010年1月4日月曜日
サウンド・アート
「サウンド・アート」の精密な定義はないと思いますが、さしあたり「既存の音楽や視覚美術ではない、音を用いる芸術」と考えて、概観してみたいと思います。「サウンド・アートの概観」というより「サウンド・アートの起源とされる諸実践の概観」になります。
今回は暫定的に
1.音楽出身のサウンド・アート
2.美術出身のサウンド・アート
3.空間を志向するサウンド・アート
4.音楽ではない音響芸術
と分類してみました。
「メディア」が主題とされる音響芸術の事例として、こうした作例があることを知ってもらうことが目的です。
Cristal Baschetを使った演奏の映像です。他にもけっこうあります。持ち運びが大変そうな楽器ですね。
2009年度レポート(京都精華大学「音楽とメディア」)
2009年度後期京都精華大学「音楽とメディア」レポート課題
「授業一回分を要約し、全体の中での位置づけを説明し、それに対する自分の考察を述べること。2000字程度。」
レポートに関する詳細は、授業中に指示。
PDFファイルは説明時に配布したプリント。