2011年9月4日日曜日

生成音楽ワークショップのサウンド・インスタレーション:エオリアン・ハープ

後期のスタジオ授業で、二回ワークショップをお願いしている生成音楽ワークショップが「黄金町バザール2011」に参加してサウンド・インスタレーションを展示しています。
杉山紘一郎さんと一緒に、エオリアン・ハープを設置しています。
関連のある人は見ておくように。
関心のある人はどうぞご覧ください。

場所はここ。
日ノ出スタジオ (黄金町エリアマップ)と、その前の「旭橋」というところ。
本人たちのお知らせはここ。
第4回「聴く」装置としてのエオリアン・ハープ | 生成音楽ワークショップ

生成音楽ワークショップのお二人には、後期のスタジオ授業でワークショップをしてもらいます。
11月19日(土)と12月3日(土)にしてもらいます。
授業参加者以外も参加可能なものとなるかどうかとかは未定。
詳細が決まったら連絡します。

2011年7月29日金曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:まとめ

7月13日に、教育人間科学部人間文化課程の一年生全員に、キャンパスのメインストリートに設置したこの音についてアンケートに答えてもらいました。
アンケートは感想を収集するために行ったもので、統計処理などを行うことは考えていませんでした(使用したアンケートは下記の通りです)。とはいえ、メインストリートに置かれた音に多少なりとも「違和感」を感じてその「違和感」がその後も継続した学生が三分の一程度はいたことを知ったことは、この「音を置く」プロジェクトは、今後も継続的に行なっていく価値があることを示してくれるものではないかと思います。

7月29日のYGSCスタジオ講評会では、この「音を置く」プロジェクトについて報告を行いました。
今後、「音と空間との関係」をもっと増やすこと、他の種類の音も使うこと、などの意見をいただきました(学生が増えなければ出来ませんが)。また、アンケートや講評会での報告で使った言葉で、「なじむ」や「違和感がある」などの主観的な言葉には注意が必要である、という意見もいただきました。これは、工学的もしくは心理学的なアプローチが採用されがちな「サウンドスケープ研究の方法論」に対する基本的な疑義でもあります。今後の課題としておきます。

ともあれ、このプロジェクトは、参加学生の人数を増やして様々なやり方を試行錯誤して今後も継続的に行なっていくつもりです。
みなさん、よろしくお願いします。
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質問:音響空間スタジオ用 2011年7月13日
19日までに中川の研究室(1-503)に提出すること(20日には受け付けない)。

Q1.音があることに気づきましたか? 気づいたとすれば、どのような状況で気づきましたか?(どこで音が発生していると思ったか、あるいは、音だけに気づいた、変なモノが見えて気づいた、など)

Q2.どのように感じましたか?(好悪の感情など、自由にできるだけ多めに記述してください。)

Q3.音を聞いた後、他の音に対する感じ方は変わりましたか? 変わったとすればどのように?(たとえば、何かの音に注意深く耳を傾けるようになったりしましたか?)

Q4.また、そのような変化は翌日以降も続きましたか? あるいはそもそも、翌日以降も、音のことを覚えていましたか?

Q5.今まで「メインストリート」で聞いたことがある音として思い浮かぶものを教えてください。(例:足音、チャイムの音、空調の音、葉っぱの音、話し声、など)

Q6.そのなかで好きな音/嫌いな音を教えてください。また、その理由を教えてください。

Q7.あなた自身のことについて教えてください
性別/学年/学部

2011年7月16日土曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:音の設置(7月11日-15日)

7月11日(月)から7月15日(金)の10:00-16:30まで、このスケジュールで、MP3プレイヤーと充電式スピーカーを用いて音を置きました。










以下は、その様子を示す動画です。また、その際に使用した音もYoutubeにアップロードしてあります。

2011年6月30日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:7.6/30/2011

第 7 回 Jun.30 2011

前回決定した設置場所に台を設置し、音を流してみた。音の種類は「Max Neuhaus のような同じ音」をずっと流すこととした。

設置場所と設置方法(下の写真)、音の種類を決定した。今回設置した台に天候などを考慮して雨よけと扉を付加する予定である。

次回はインスタレーションの設置期間中のスケジュールを決める。またアンケート用の質問の確認をおこなう。


設置場所 裏面の設置の仕方



2011年6月23日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:6.6/23/2011


第 6 回 Jun.23 2011

今回も、制作してきた音が設置場所でどのような音に聞こえるかを確認した。前回制作した音に加えて「鈴虫の鳴き声」「Max Neuhaus のような音」を加えた。

◯設置する音に関して

夏に設置するので、その季節感を狂わすような音「鈴虫の鳴き声」は涼しく感じられ、「Max Neuhaus のような音」も一定の音が常に鳴り続けることでサウンドスケープの変化を感じやすくなるのではないだろうか。 すでに制作してあった「水の音」も、反復を強調することでサウンドスケープに強い影響を与えられるのではないかと考えた。

◯音を設置する高さ

音を設置する高さは、地面でも頭上でも、音量という面からはあまり変化がないことがわかった。

◯音を設置する場所

駐輪場の標識(下の写真)の裏に設置することを検討する。次回はこの標識の裏に台を設置し、雨などの天候もふまえてスピーカーの設置方法を考えていく。

2011年6月16日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:5.6/16/2011

第 5 回 Jun.16 2011

制作してきた音を屋外の設置する場所に行き、実際に音を流してみた。どのようなスピーカーを使うかを検討した。時間帯は3限目。授業中だったので、今まで作ってきた音であっても違和感を維持しつつ聞くことが出来たが、休み時間になり人通りが多くなると、制作してきた「水の音、水と葉っぱの音、鳥の鳴き声、足音」では人ごみに埋もれてしまい印象が薄くなりすぎるように感じた。

◯設置する音に関して

前回までに制作してきた音で、足音は設置場所に埋もれてしまうので除き、他の 3 つは残しつつ新しい音を考えることにした。歩いている人のサウンドスケープを変化させるきっかけになるような音とはどんなものなのだろうか。

その音を聞いた人が少し驚きを得るような音を制作する。

◯音を設置する高さ

設置場所には木々も多く生えているので、スピーカーを人の頭上くらいの高い位置に設置することもできる。スピーカーを地面において聞く場合と、頭上から音を聞く場合では、音に対する印象は変わると思われる。音の種類だけでなく、音を設置する高さも考慮にいれる必要がある。

使用予定機材

MP3 プレイヤー:トランセンド T.sonic MP330 TS4GMP330 (4GB)

スピーカー:グリーンハウス GH-SPA111YW

2011年6月2日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:4.6/2/2011

第 4 回 Jun.02 2011

制作してきた音を聞いてみる。

水の音と、葉の音を意識したビニール袋をくしゃくしゃさせた音を制作してきた。

◯設置する音を制作する

今回、制作してきた音を聞いてみて、制作する音の方向性を考えた。

設置する音は、違和感を感じさせるような、ちょっとびっくりさせる、でも邪魔にならない音が良いのではないか。設置場所でサンプリングした音、作った音に効果をつけることもすべきだろう。またそれらの方法によらない他の音でもよい。今回つくった音は変化が多すぎたのではないか。同じ音がずっと続いている方がよいのでは?

制作する音は次の 4 パターンで考えていく。

1、音が突然なくなってもよい。水の音ブレイクはおもしろかった。

2、葉っぱと水の音を重ねてみる。

3、規則正しい足音をつくる、自転車関連の音。

4、関連しない音、鳥の鳴き声など。


◯次回に向けて

・上記の音の制作を行ってみる。

・音を作って、音楽プレイヤーに音をいれて、外に設置してスタディ。→その様子から、事後策を練る。

・サンプルの流す順番や何曲ながすかなどを検討する。

・質問事項を考えておく。

2011年5月26日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:3.5/26/2011

第 3 回 May.26 2011

今回は編集ソフト Audacity の扱い方を主に学ぶ。

エフェクトがどのような音の効果を与えるか一通り確認した。

◯設置する音を制作する

設置する音の制作を行う上で2通りの方法をとる

1.音を設置する場所で聞こえる ( 既に存在する音 ) との調和を考え、音をサンプリングし、 その音を編集することにより、既存の音とは少し異なる音をつくる。

その際サンプルの種類を増やすため、気候条件などの異なるものを用意する。

例)雨の日、風の強い日、無風の日など

2.水の音や風により落ち葉が移動する音などを身近なものを使い、その音に似た音を制作する。


◯次回に向けて

・上記の音の制作を行ってみる。

ゼロから音を楽器を使わずに、サンプルに似た音をいかにして出すのか検討する。

Audacity の取り扱いに慣れていく。

2011年5月19日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:2.5/19/2011

第 2 回フィールドワーク May.19 2011

前回に引き続き教育人間科学部の建物を中心に昼休みの 12:30~13:00 の時間に主に屋外を中心に探索。

天気は晴れていたので前回とは異なる人の流れを確認する目的だったが前回とあまり変化は見られなかった。


◯今回は設置予定の教育人間科学部講義棟 8 号館エントランス前を中心に場所で聞こえる音を確認した。

・風による落ち葉、木の揺れる音

・自転車、人の歩く音、会話

・雨の場合は雨音






教育人間科学部講義棟 8 号館エントランス前

この場所から聞こえる設置する音が違和感のないものにするため設置場所でサンプリングを行う。

サンプリングを行う時間は人通りの多いと思われる休み時間を中心とした次の時間である。 8:35~8:50,10:20~10:30,12:00~12:10,12:50~13:00,14:30~14:40,16;10~16:15,17:45~17:50


◯次回

・次回にはサンプリングをした音をもとにどのような音を設置するかを考察し、音をどのようにつくるかのスタディを行う。

・波形編集ソフト Audacity を取り扱う。

2011年5月12日木曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト:作業日誌:1.5/12/2011

◯概要
学内のどこかに音を置き、その帰結をドキュメントにまとめる。
1. 設置する段取りの設定
 置く場所の決定、置かせてもらうための様々な交渉(お願いなどなど)2. 設置する機材の作成
 スタジオ作業
3. サウンド・インスタレーションに対する反応の測定
 通行人たちの反応の測定・観測・記録
4. この作業の記録の作成ウェブサイトかつ冊子形態で記録を作成・公表

◯目的
学内のどこか邪魔にならない場所に「音」を置き、人々と音環境との関係性の変化を 観測することで、建築物や都市空間と音響との関係性について実践的に学習すること

第1回フィールドワーク
 教育人間科学部の建物を中心に昼休みの 12:30~13:30 の時間に主に屋外を中心に探索。
 天気があいにくの雨のためあまり人の流れや滞留を確認することができなかったと思われる。
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1.正門から大学敷地を横断するメインストリート。朝の通学時間、 学食等が近く昼休みには多くの人が往来する。スピーカー設置場所に 難ありか。








2.教育人間科学部講義棟8号館エントランス階段部分。(S2-1) ここも メインストリートに対して開かれているため人通りが多い。建物隅 の植栽付近にスピーカー設置か。
















3.教育人間科学部講義棟7号館 (S2-2) 前の大階段。人通りが多く、 喫煙所、自販機前に多少の人の滞留あり。スピーカーの設置場所が 難しい。


4.教育人間科学部講義棟7、8号館の裏手の緑道付近。人通りが多く スピーカーを隠せる場所はあり。電源の確保が難しいか。




メモ
・次回は天気の良いときの人の流れをチェックする。
・人が長く留まるところは設置対象外とし、比較的に流動的に留まるところでは設置が可能ではないのか。
・設置場所にすでにある音と置く音との関係性なども考慮すべき点なのではないか。
・屋内設置の場合は階段などの動線などになると思われる。

2011年5月2日月曜日

SSS:「音を置く」プロジェクト

(以下のメモは、小野くんに説明するために最初に作成したメモです。)
◯概要
学内のどこかに音を置き、その帰結をドキュメントにまとめる。以下の四段階の作業を行う。

1.設置する段取りの設定
置く場所の決定、置かせてもらうための様々な交渉(お願いなどなど)
2.設置する機材の作成
スタジオ作業?
3.サウンド・インスタレーションに対する反応の測定
通行人たちの反応の測定・観測・記録
4.この作業の記録の作成
ウェブサイトかつ冊子形態で記録を作成・公表

◯目的
学内のどこか邪魔にならない場所に「音」を置き、人々と音環境との関係性の変化を観測することで、建築物や都市空間と音響との関係性について実践的に学習すること
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以下、小野くんが毎回記録してくれた、「音を置く」プロジェクトの作業日誌を掲載しておきます。

2011年5月1日日曜日

音響空間スタジオ(SSS: Sound Space Studio):2011年度前期:「音を置く」プロジェクト

中川は、横浜国立大学大学院都市イノベーション学府建築都市文化専攻のYGSCスタジオ教員として、音響空間スタジオ(SSS: Sound Space Studio)を担当しています。
まだ音響空間スタジオを専攻とする院生はいませんが、本年度は、「論文系」の学生―小野くん―とともにSSSを運営して、「音を置く」プロジェクトを行うことにしました。
「音を置く」プロジェクトとは、要するに、学内のどこかに音を置いて学生たちの反応をうかがいその帰結をドキュメントにまとめる、というプロジェクトです。
初めてで学生と教師あわせて二人しかいなかったので、あまりたくさんのことはできませんでしたが、なかなか面白かった試みだったので、このプロジェクトの概要をこのウェブサイト上にまとめておきます。

2011年4月1日金曜日

ご連絡

本日付け横浜国立大学に着任いたしました。今後ともますますの精進を重ねて参りますので、みなさま、どうぞよろしくお願いします。
今から皆様にご挨拶のメールを出すか、もしくは、面倒なので辞めようかと思うがあまり問題もなかろうと思う。


とはいえ、この授業用ブログを更新している今はもう8月21日です。
やっと授業用ブログを更新できそうです。
まだしばらく調子がつかめないので後期の更新もぼちぼちですが、どうなることやら。

2011年1月17日月曜日

音楽制作の変化-新しい楽器1-ルミンの演奏方法とシンセサイザーの鍵盤の有無

20世紀に初めて登場した電子楽器・電気楽器を紹介し、テルミンの演奏方法とシンセサイザーの鍵盤の有無にまつわる問題圏を検討します。
去年までは「聴くためのテクノロジー」の話が主でしたが、最後に「制作テクノロジーの変化」の話をします。
今年度はこれで終了です。
「新しい楽器2」の話はありません。2は、「音響録音再生のデジタル化」のところで少し話した内容です。


テルミン関連の映像です。
クララ・ロックモアの演奏。


『地球が静止する日』では効果音として使われています。


2007年に『大人の科学』の付録で発売された「テルミンmini」を演奏するネコ。



オンド・マルトノとテルミンの映像がありました。



オンド・マルトノとグラス・ハーモニカとクリスタル・バシェッとの映像です。



トラウトニウム

ヒッチコックの『鳥』の最後のシーン。鳥の鳴き声がトラウトニウムで作られました。



モーグ・シンセサイザー関連の映像です。



RCA Mark IIシンセサイザーを用いた、Milton Babbittの作品です。
RCA Mark IIシンセサイザーは、リアルタイムに演奏できない「シンセサイザー」でした。


参考にしたサイトの一つはここです。
120 Years of Electronic Music Electronic Musical Instrument 1870 - 1990
ちょっと年代があやふやですが、面白いです。