2010年6月30日水曜日

新しい楽器1-テルミンの演奏方法とシンセサイザーの鍵盤の有無

20世紀に初めて登場した電子楽器・電気楽器を紹介し、テルミンの演奏方法とシンセサイザーの鍵盤の有無にまつわる問題圏を検討します。


テルミン関連の映像です。
クララ・ロックモアの演奏。


『地球が静止する日』では効果音として使われています。


2007年に『大人の科学』の付録で発売された「テルミンmini」を演奏するネコ。



オンド・マルトノとテルミンの映像がありました。



オンド・マルトノとグラス・ハーモニカとクリスタル・バシェッとの映像です。



トラウトニウム

ヒッチコックの『鳥』の最後のシーン。鳥の鳴き声がトラウトニウムで作られました。



モーグ・シンセサイザー関連の映像です。



RCA Mark IIシンセサイザーを用いた、Milton Babbittの作品です。
RCA Mark IIシンセサイザーは、リアルタイムに演奏できない「シンセサイザー」でした。


参考にしたサイトの一つはここです。
120 Years of Electronic Music Electronic Musical Instrument 1870 - 1990
ちょっと年代があやふやですが、面白いです。

2010年6月23日水曜日

1950年代の具体音楽と電子音楽

1950年代前半の「具体音楽」と「電子音楽」を取り上げます。
けっこうシンプルな話にする予定です。
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ピエール・シェフェール《etude aux chemins de fer》(1948)

シュトックハウゼン《習作I》(1953)

2010年6月16日水曜日

プランダーフォニックス-レディメイドとサンプリング

実際の授業進度が、最初の計画からかなり遅れてきました。
それにあわせて授業内容予定も変えます。
ウェブサイトには最初に予定していた分のスライドとレジュメはアップロードしますが、幾つかのトピックは扱いません。
参考資料置き場と思ってください。
(この「プランダーフォニックス」は扱えないかもしれないので、今日、アップロードしておきます。)
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ジョン・オズワルドのプランダーフォニックスをとっかかりに、他人の表現物を用いる色々な音響実践を紹介ます。プランダーフォニックスはある種の政治的な文化活動で、現行の著作権法や知的所有権に問題提起しようとするものです。
確かに21世紀以降ますます変容しつつある音楽文化において、音楽の私的利用の問題は非常に重要で刺激的な問題意識を喚起してくれるものですが、CD-Rや(違法)ダウンロードを介した、音楽の私的複製やそれにともなう音楽消費文化の変容の問題は、この授業で扱う事項ではありません(この手の問題は、また別の授業で扱います)。
この授業では、むしろ、他者が制作した録音物を機械的複製を通じて利用する幾つかの事例(ジョン・オズワルド、Madlib、DJ Dangermouse、Christian Marclay、Negativland、刀根康尚など)を紹介しつつ、デュシャン以降の「レディメイド」という方法論と比較する、ということをしてみようと思います。
とくに結論めいたものを提示するつもりはありません。「他者の表現物を使用する様々な事例」を知ってください。


ジョン・オズワルド

John Oswald (じょん・おずわるど)(ジョン・オズワルド) : 音楽ダウンロード・音楽配信サイト ListenJapan
p l u n d e r p h o n i c s:彼のこのウェブサイトから、音源は入手できます。


ネガティヴランド
NegativWorldWideWebLand Home
U2 vs. Negativland、第2ラウンド? | Totally F**ked Up !:日本語で入手可能な説明、他にあまりありませんでした。僕もいろいろヘンなことしてる人たち、って印象です。「THE YES MEN」みたいですね。
Negativlandの「U2」はここにあります。


マッシュアップ

個人的に初めて知った「マッシュアップ」は、これでした。

2010年6月9日水曜日

近畿大学文芸学部:芸術学研究IIIA:最終レポートについて

先週授業中にお知らせしたけど、ウェブでお知らせするのを忘れてました。
以下の通り、最終レポートを提出するか、授業内発表をしてください。

レポート提出の場合、締切は今日確定しました。注意してください。
授業内発表は、講義とは違う面白さがあるし勉強になるはずです。
「われこそは」とか気負わなくて良いから、やってみてくださいな。
発表内容、やり方、やってる最中とか、できるサポートはします。
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 この授業の成績評価基準は、「毎回の授業への参加度(30%)+最終レポート(70%)」です。

 なので、以下の最終レポートを作成するかあるいは、授業内発表をして下さい。


最終レポート作成要領

 授業中に扱った音楽(作品、音楽家、ジャンル、運動)をひとつ選び、それについて報告するレポートを作成すること

 レポートは、以下の五項目を順番に記述すること


1.いつの授業でどのように扱われたか を要約し、

2.どのような音楽(作品、音楽家、ジャンル、運動)か 説明し、

3.その歴史的背景(歴史的位置づけ) をまとめ、

4.同時代のモダン・アートと比較し、

5.最後に、(可能ならばその現代的な意味を述べつつ)その面白さを述べてください。


レポート作成のための条件

1.必ず、何らかの公刊された文献を参照すること

インターネット上の情報を利用した場合、必ず、ネット上の情報と公刊された文献上の情報とを比較すること

使用した文献は、最後に「参考文献」として記載しておくこと

これは必須です。

この条件が満たされていない場合、内容如何を問わず不可とします。

2.2000字以上(注と参考文献は含みません)

3.手書き不可

4.714日(14回目)に提出、あるいは27(火)23:59までにメールで提出

メール提出の場合、中川からの受領メールを確認してください。

nakagawa.katsushi (at) gmail.com


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授業内発表

 あるいは、最終レポートの代わりに、20分の授業内発表と10分の質疑応答」と「発表レポート(レジュメ、発表内容発表後の質疑応答の要約:合計2000字以上(1200800字か1400+600字か1600+400字程度)の提出」でも可とします。

 この場合、再来週(6/16)までに申し出てください。

 3人以上いればやってみましょう。時間は適宜変更します。

 後期の「芸術学特別演習」よりも、テーマをもう少し絞った発表をしてもらおうと考えています。

授業内発表の決まり

 発表テーマは、こちらからは指示しません。

 ただし、20世紀以降のゲンダイオンガクとモダン・アートに関わるもの(作品、音楽家、ジャンル、運動)をひとつ選び、それについて報告してください。


1.どのようなもの(作品、音楽家、ジャンル、運動)かを説明し、

2.ゲンダイオンガクあるいはモダン・アートの歴史上の位置づけをまとめ、

3.同時代の別のジャンル(ゲンダイオンガクあるいはモダン・アート)の動向と比較し

4.その面白さ を述べてください。


 つまりレポートより取り上げて良い対象は広くなります。

 学問的正確さとかより、聞いている人間の好奇心を刺激する「面白い」話をしてください。


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○発表について

 基本的に、発表原稿は使わずに話してください(話すためのメモは作ってください)。

 また、必ずプレゼンテーション・ファイルを利用し、A4二枚程度のレジュメを用意してください。


 発表用に用いるPCは、芸術学研究室のものを利用しても構わないし、中川のPCを利用しても構いません。

 USBメモリスティックなどにデータを入れてきて下さい。

 前日までにメールで送ってきてくれたら、レジュメはコピーできます。

 それまでに間に合わなかったら、レジュメは各自が準備してきてください。



 芸術学コースの人は、ゼミ発表の経験があると思いますが、やり方は少し変えてください。発表原稿を使わない発表ですし、テーマも、20世紀以降のアートに関わるもの、でお願いします。

 制作コースの人は、発表の経験はないかもしれませんが、「人前で何かについて話すこと」は、けっこう面白いことなので、試してみてください。


まあ、あんまり難しいこと考えずに、大きな声で話せば大丈夫です。




ちなみに。

プレゼン初心者の犯しやすい間違いは、次の三点です。

1.プレゼンファイルの文字が小さいこと

一枚のスライドに長文がある←ポイントが絞られていない

大きな文字を使うこと、そのためには要点をおさえること

2.プレゼンファイルの内容と話している内容が対応していない場合が多いこと

口頭で補足説明をしてしまう←スライドだけで話の流れができていない

基本的に、説明事項は必ずスライドで語ること、そのために発表内容はしぼること

3.声が小さいこと

話している対象が分からない、など

「対話」のポイントは、できるだけ「対話の相手」が誰かを理解しておくこと、です。 なので、語りかける相手を意識して話すこと

そのために緩急をつけた語り方、話の要点を意識した話し方をすること

形式主義と内容主義

ウォルター・ペイター「すべての芸術は絶えず音楽の状態に憧れる。」
ファイル:Walter-pater-1.jpg
音楽と美術における「形式主義」について学びます。
かなり足早に、モダン・アートの美術史と形式主義的な自律音楽美学の展開を辿り、最後に、20世紀初頭に「音楽(の形式的な側面)」を理想化しつつ制作された諸作品を見たいと思います。
最後に次のような諸作品を紹介します。
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抽象的な実験映画
ハンス・リヒター《リズム21》(1921)
U B U W E B - Film & Video: Hans Richter - Rhytmus 21

ヴィキング・エッゲリング《対角線交響曲 》(1921)


Luigi Russolo, La Musica, 1911:「騒音の芸術」のルッソロの絵画です。


カンディンスキー《Composition VII》(1913):シナステジアを持っていた、抽象絵画の開拓者。シェーンベルグとの親交が有名です。